絵本を読んだあとに、子どもに「どう思った?」と聞いても「わからない」と言われることはありませんか。
ものの仕組みや性質が出てくる絵本はよく理解しているのに、物語の中の気持ちや心理描写になると、あまりわかっていないように見える。
そんな様子を見ると、「将来的に説明文は得意だけれど、物語文は苦手になるのでは」と心配になることもあると思います。
結論からいうと、幼児期に物語の気持ちをうまく言葉にできないからといって、すぐに心配しすぎなくてもよいと思います。
年少ごろの子どもにとって、「登場人物がどう思ったか」を言葉で説明するのは、意外と難しいことです。
また、絵本の感想を毎回聞かれると、子どもによってはテストのように感じてしまうこともあります。
この記事では、物語の気持ちがわからないように見えるときの考え方や、絵本の読み聞かせでできる工夫、生活の中で気持ちの言葉を増やす方法をまとめます。
※この記事では、Xでいただいた声をもとに、読みやすいよう一部表記を整えています。
物語の気持ちがわからないのは心配?
物語の絵本を読んだあとに、子どもが感想を言えなかったり、登場人物の気持ちを答えられなかったりすると、少し心配になりますよね。
特に、図鑑や科学絵本、ものの仕組みが出てくる本はよく理解している子だと、「説明文は得意そうだけれど、物語文は苦手かもしれない」と感じることもあると思います。
ただ、年少ごろで「どう思った?」に答えるのは、かなり難しい場合があります。
大人でも、読んだ本の感想を急に聞かれると、うまく言葉にできないことがあります。
子どもの場合はさらに、
- 自分の気持ちを言葉にする力
- 登場人物の立場を考える力
- 物語の流れを覚えておく力
- 質問の意図を理解する力
- 感じたことを説明する力
がまだ発達の途中です。
そのため、「わからない」と言ったからといって、物語をまったく理解していないとは限りません。
言葉にできないだけで、絵や場面の雰囲気は感じ取っていることもあります。
年少ごろなら「わからない」でも自然なことがある
実際に、年少で物語の感想を言うのは難しいのでは、という声もありました。
3歳でそれを言える方がすごすぎる気がします。うちの本好きの長男も、小1ですがそれを聞いたら「わかんなーい」と言います。
知育ツイオフでいただいた声
この声にもあるように、絵本が好きな子でも、感想や気持ちを言葉で説明するのは別の力です。
本が好きでよく読んでいる子でも、「どう思った?」と聞かれると答えにくいことはあります。
また、物語よりも、図鑑や科学絵本、仕組みの本が好きな子もいます。
それは悪いことではありません。
ものの性質や仕組みに興味があることは、その子の大切な興味の方向です。
物語の読み取りを育てたいと思いつつも、今好きな本を否定しないことも大切だと思います。
絵本の感想は無理に聞かなくてもいい
絵本を読んだあと、つい「どうだった?」「どう思った?」と聞きたくなることがあります。
もちろん、親子の会話として自然に感想を話すのはよいと思います。
ただし、毎回のように感想を聞いたり、正解を求めるように質問したりすると、子どもによっては負担に感じることがあります。
絵本の感想は、実は聞かない方がよいという話もあるようです。感想を聞くことで、絵本を嫌いになってしまう可能性もあるそうです。コミュニケーションとして絵本を楽しめることが大切なのかなと思いました。
知育ツイオフでいただいた声
ここで大切なのは、「感想を絶対に聞いてはいけない」ということではないと思います。
問題になりやすいのは、読み聞かせが毎回テストのようになってしまうことです。
たとえば、
- 「この子はどう思ったの?」
- 「なんで泣いたの?」
- 「何が言いたかったの?」
- 「どういうお話だった?」
と毎回聞かれると、子どもによっては「絵本を読むと質問される」と感じてしまうかもしれません。
絵本は、まず親子で楽しむものです。
感想を言わせることよりも、子どもが絵本の時間を嫌いにならないことを優先してよいと思います。
物語理解を育てたいときの関わり方
では、物語の気持ちや心理描写の理解を少しずつ育てたい場合、どのように関わればよいのでしょうか。
ポイントは、いきなり自由記述のように答えさせないことです。
「どう思った?」と聞かれても、幼児には答えにくいことがあります。
その場合は、答え方のハードルを下げると、子どもが表現しやすくなります。
途中で聞くなら、子どもに合う聞き方にする
物語の途中で、登場人物の気持ちを聞いているという声もありました。
うちは物語の途中で、「今この子はどういう気持ち?」「次どうなるかな?」のように、話しかけながら読んでいます。あとは答えるときに選択制にしたり、顔や体で表現してもらったり、子どもが表現しやすい方法で聞いています。
知育ツイオフでいただいた声
この方法は、子どもによって合う・合わないがあります。
途中で話しかけられても楽しめる子もいれば、物語の流れを止められるのが嫌な子もいます。
そのため、子どもが嫌がる場合は、無理に途中で質問しなくてよいと思います。
ただ、会話しながら読むのが好きな子なら、物語の途中で少しだけ気持ちに触れるのはよい方法です。
選択肢で聞く
「どう思った?」と聞かれると答えられなくても、選択肢があると答えやすいことがあります。
たとえば、登場人物が泣いている場面なら、
- 「悲しかったのかな?」
- 「びっくりしたのかな?」
- 「怒っていたのかな?」
- 「寂しかったのかな?」
のように聞くと、子どもが選びやすくなります。
最初から自分の言葉で説明させようとするより、親が気持ちの言葉を出してあげる方が、子どもにとってはわかりやすいです。
選んだ答えが親の考えと違っていても、すぐに否定しなくてよいと思います。
「そう思ったんだね」「たしかに、そう見えるね」と受け止めたうえで、必要なら「ママは悲しかったのかなと思ったよ」と親の考えを足すくらいが自然です。
顔や体で表現してもらう
気持ちを言葉で説明するのが難しい子には、顔や体で表現してもらう方法もあります。
たとえば、
- 「この子、どんな顔してる?」
- 「びっくりした顔ってどんな顔?」
- 「怒ってるときって、どんなポーズかな?」
- 「悲しいときは、どんな感じ?」
のように聞くと、言葉で説明するより答えやすいことがあります。
気持ちは、言葉だけでなく、表情や体の動きにも表れます。
物語の心情理解というと難しく聞こえますが、まずは「顔を見る」「表情をまねする」「体で表す」くらいからでもよいと思います。
親が感じたことを言葉にする
子どもに答えさせるのではなく、親が感じたことを言葉にする方法もあります。
たとえば、
- 「ママは、この子ちょっと寂しかったのかなと思ったよ」
- 「ここ、びっくりしたね」
- 「お友だちに会えて嬉しそうだね」
- 「これは悔しかったかもしれないね」
のように、親が自然に言葉にしていきます。
子どもは、気持ちの言葉をたくさん聞くことで、「こういう場面で“寂しい”って言うんだ」「こういうときは“悔しい”なんだ」と少しずつ知っていきます。
毎回質問するより、親が言葉にして見せる方が、子どもにとって負担が少ない場合もあります。
生活の中で気持ちの言葉を増やす
物語の気持ちを理解するためには、絵本の中だけでなく、日常生活の中で気持ちの言葉に触れることも大切だと思います。
実際に、普段の生活で気持ちの言葉をたくさんかけるとよいのでは、という声がありました。
普段の生活の中で「嬉しいね」「楽しいね」「怖かったね」と気持ちの言葉をたくさん掛けてあげるのがいいかなと思います。そうすると「嬉しいってこんな気持ち!」というのが蓄積されると思うので。
知育ツイオフでいただいた声
たとえば、日常生活の中で、次のように言葉にしてみます。
- 「できて嬉しいね」
- 「びっくりしたね」
- 「怖かったね」
- 「悔しかったね」
- 「楽しみにしてたんだね」
- 「待っていて疲れちゃったね」
子ども自身の気持ちだけでなく、親やきょうだいの気持ちを言葉にするのもよいと思います。
- 「ママも嬉しいよ」
- 「弟くんは悲しくて泣いているみたい」
- 「お友だちはびっくりしたのかもしれないね」
同じ出来事でも、人によって感じ方が違うことがあります。
そうした経験が積み重なると、物語の中でも「この子はどう感じたのかな」と考える土台になっていくのではないかと思います。
「自分ならどう思う?」と「登場人物はどう思った?」は違う
物語文で難しいのは、「自分ならどう思うか」と「登場人物はどう思ったか」が違う場合があることです。
たとえば、自分は平気なことでも、登場人物は怖がっているかもしれません。
自分は嬉しいと思う場面でも、登場人物は困っているかもしれません。
家庭でいただいた声にも、物語文でつまずきやすい点として、次のような視点がありました。
物語文が苦手な子の典型が、気持ちと言葉が結びついていないこと、登場人物の状況に対して「自分だったらこう感じる」で答えてしまうことだと思います。
知育ツイオフでいただいた声
幼児期にここまで意識して読む必要はありませんが、親が少しだけ視点を分けて話すことはできます。
たとえば、
- 「あなたなら楽しいかもしれないけど、この子は少し怖かったのかもね」
- 「ママだったら怒っちゃうけど、この子は我慢していたのかな」
- 「同じことがあっても、人によって感じ方が違うね」
のように、無理のない範囲で話してみます。
ただし、これも説明しすぎると絵本の楽しさが薄れてしまいます。
あくまで親子の会話の中で、自然に触れるくらいでよいと思います。
物語より仕組みの本が好きな子もいる
ものの仕組みや性質が出てくる絵本が好きで、物語にはあまり反応しない子もいます。
そういう子を見ると、「物語が苦手なのでは」と心配になることもあるかもしれません。
でも、仕組みの本が好きなこと自体は、その子の強みでもあります。
科学絵本、図鑑、乗り物、からだ、自然、数、しくみの本などに興味を持てるのは、とても良いことです。
物語の力を育てたいからといって、好きな本を減らす必要はありません。
むしろ、好きなテーマから物語に広げることもできます。
たとえば、
- 乗り物が好きなら、乗り物が出てくる物語絵本
- 動物が好きなら、動物が主人公の絵本
- 食べ物が好きなら、食べ物が出てくるお話
- 虫が好きなら、虫が出てくる絵本
のように、興味のあるテーマと物語をつなげてみると入りやすいことがあります。
「物語を読ませなければ」と考えるより、好きなものを入口にして、少しずつ物語にも触れるくらいでよいと思います。
無理に物語好きにしようとしなくていい
物語の気持ちを理解してほしいと思うと、つい「これはどういう気持ち?」「どう思った?」と聞きたくなります。
ただ、無理に物語好きにしようとすると、子どもにとって絵本が負担になることがあります。
絵本の時間が、毎回質問される時間になってしまうと、本を読むこと自体が楽しくなくなるかもしれません。
物語理解を育てるには、質問を増やすより、次のような関わり方の方が続けやすいと思います。
- 子どもが好きな本を大切にする
- 親が気持ちの言葉を自然に使う
- 感想を無理に言わせない
- 答えやすい形で聞く
- 生活の中で気持ちを言葉にする
- 物語を楽しむ時間を守る
「読解力を育てるため」と考えすぎるより、まずは親子で物語を楽しむこと。
そのうえで、少しずつ気持ちの言葉や登場人物の視点に触れていくくらいが、幼児期には合っていると思います。
読み聞かせの方法を学びたいとき
読み聞かせや物語理解については、先生や専門家によっていろいろな考え方があります。
いただいた声の中では、絵本の3段階読みや、一語一句を大切にする読み聞かせに関する本を紹介する声もありました。
筑波大学附属小学校の先生が推奨する、絵本の3段階読みというものがあるようです。
知育ツイオフでいただいた声
一語一句を大切にする読み聞かせが、変化をもたらすかもしれません。
知育ツイオフでいただいた声
こうした方法を参考にするのもよいと思います。
ただし、家庭で取り入れるときは、子どもが嫌がらないこと、親が無理なく続けられることを優先してよいと思います。
読み聞かせの方法は、正解がひとつではありません。
子どものタイプや年齢、親子の関係に合わせて、合う方法を少しずつ取り入れるのがよさそうです。
まとめ:感想を言わせるより、気持ちの言葉を増やしていく
幼児期に、物語の気持ちや心理描写をうまく説明できないからといって、すぐに心配しすぎなくてもよいと思います。
年少ごろの子どもにとって、「どう思った?」に答えるのは簡単ではありません。
絵本の感想を毎回聞くよりも、まずは親子で物語を楽しむことを大切にしてよいと思います。
物語理解を少しずつ育てたい場合は、
- 選択肢で聞く
- 顔や体で表現してもらう
- 親が気持ちの言葉を言ってみる
- 生活の中で「嬉しい」「悲しい」「怖い」などの言葉を増やす
- 登場人物の気持ちと自分の気持ちが違うことに少しずつ触れる
といった関わり方があります。
また、物語より仕組みの本が好きな子もいます。
その興味を否定せず、好きなテーマから物語絵本へ広げていくのも一つの方法です。
感想を言わせることを目的にするより、子どもが安心して絵本を楽しめること。
その積み重ねの中で、少しずつ気持ちの言葉や物語の理解が育っていくとよいですね。

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