子どもに美術やアートに親しんでほしいと思っても、「何から始めたらいいの?」と迷うことはありませんか。
美術館に連れて行くにはまだ早い気がする。名画の解説をしても難しそう。そもそも、親自身も美術に詳しいわけではない。
そんな場合でも、美術系の絵本なら、家で気軽にアートに触れるきっかけになります。
美術の絵本は、絵の知識を覚えるためだけの本ではありません。
「この色きれいだね」「この絵、なんだか不思議だね」「どこに隠れているかな?」と、親子で見たり、探したり、話したりするだけでも十分楽しめます。
この記事では、幼児から楽しめる美術・アート絵本を、目的別にまとめます。
美術系の絵本はどんなときにおすすめ?
美術系の絵本は、次のようなときに取り入れやすいです。
- 子どもに名画やアートに親しんでほしい
- 美術館に行く前に、少し雰囲気に慣れておきたい
- 探し絵や迷路のように、遊びながら絵を見たい
- 色や形、表現に興味を持ってほしい
- お絵かきや工作が好きな子に、別の刺激を入れたい
- 親子で「見る」「話す」絵本を増やしたい
美術というと、少し難しく感じるかもしれません。
でも、小さい子どもにとっては、「これは何の絵?」「どう見える?」「どこが好き?」と感じること自体が、アートとの出会いになります。
正しい知識を教えるよりも、まずは親子で自由に見ることを大切にすると取り入れやすいです。
幼児に美術絵本を選ぶときのポイント
解説よりも「見て楽しい」ものを選ぶ
幼児期に美術絵本を選ぶなら、まずは見て楽しいものがおすすめです。
名画の作者名や時代背景を覚えるより、絵の中の色、形、表情、動きに気づける方が楽しみやすいです。
「この絵、何に見える?」
「どの色が好き?」
「ここ、変な形だね」
と話せる絵本だと、親子で会話しながら読みやすくなります。
探し絵・クイズ要素があると入りやすい
美術にあまり興味がない子でも、探し絵やクイズ要素があると入りやすいことがあります。
「絵を見る」だけではなく、「隠れているものを探す」「同じ形を見つける」「気になるところを指さす」という遊びになるからです。
美術館系の探し絵絵本は、名画に親しむ入り口としても使いやすいです。
美術館に行く前なら、マナーより楽しさを伝える
美術館に行く前の絵本というと、「静かにする」「走らない」などのマナーを教えたくなるかもしれません。
もちろんマナーも大切ですが、それだけだと子どもにとって美術館が緊張する場所になってしまうこともあります。
美術館に行く前は、
- 絵を見るって楽しい
- 好きな絵を見つけていい
- わからない絵があってもいい
- 親子で感じたことを話していい
という雰囲気を作れる絵本があるとよいと思います。
美術・アート絵本を目的別に選ぶなら
| 目的 | 向いている絵本 | 特徴 |
|---|---|---|
| 名画に親しみたい | 小学館あーとぶっく | 画家ごとに名画を遊びながら楽しめる |
| 探し絵として楽しみたい | ルーヴル美術館でさがせ!/オルセー美術館でさがせ! | 美術作品の中からキャラクターを探す |
| 色や形から入りたい | びじゅつのゆうえんち | 丸・空気・浮世絵など、切り口がユニーク |
| 美術館に行く前に読みたい | うさこちゃん びじゅつかんへいく | 美術館に行く雰囲気を感じやすい |
| 自分で描く・作ることにつなげたい | おえかき美術館など | 絵を見るだけでなく、描く遊びにつながる |
名画に親しむなら「小学館あーとぶっく」
子ども向けの美術絵本としてまず候補にしやすいのが、小学館の「あーとぶっく」シリーズです。
ゴッホ、ピカソ、マティス、モネ、若冲など、画家ごとに名画を楽しめる絵本が出ています。
美術の本というと、解説が難しそうに感じますが、「あーとぶっく」は、名画を鑑賞するというより、絵の中に入り込んで遊ぶような感覚で読めるのが魅力です。
親が美術に詳しくなくても、
- 「この色、すごいね」
- 「この顔、どっちを向いているんだろう?」
- 「ぐるぐるしているね」
- 「この絵の中なら、どこに行ってみたい?」
のように、見たまま話しやすいです。
名画を覚えさせるというより、まずは「絵っておもしろい」と感じる入り口にしやすいシリーズだと思います。
ゴッホの絵本
『ゴッホの絵本』は、ゴッホの独特なタッチや色づかいに触れられる絵本です。
ゴッホの絵は、空や星、花、風景などが印象的で、子どもにも「ぐるぐるしている」「明るい」「なんだか動いているみたい」と感じやすいところがあります。
絵の知識がなくても、色や線の勢いを親子で話しやすい一冊です。
[Rinker:小学館あーとぶっく ゴッホの絵本]
ピカソの絵本
『ピカソの絵本』は、顔や形の不思議さに注目しやすい絵本です。
ピカソの絵は、大人でも「これはどうなっているの?」と思うような表現があります。
子どもと読むなら、正しく説明しようとするより、
「顔がいろんな向きに見えるね」
「これは怒っているのかな、笑っているのかな」
「変だけどおもしろいね」
と、自由に話すと楽しみやすいです。
[Rinker:小学館あーとぶっく ピカソの絵本]
マティスの絵本
色や形の楽しさから入りたいなら、マティスの絵本も候補になります。
マティスの絵は、色が明るく、形も楽しい印象があるので、小さい子にも比較的入りやすいと思います。
「どの色が好き?」
「この部屋に住んでみたい?」
「この形は何に見える?」
のように、親子で話しながら楽しめます。
[Rinker:小学館あーとぶっく マティスの絵本]
探し絵として楽しむ美術絵本
美術に興味を持つ入口として、探し絵タイプの美術絵本もおすすめです。
名画をじっくり鑑賞するというより、絵の中から隠れているキャラクターを探すので、子どもが参加しやすいです。
「どこにいるかな?」と目をこらすうちに、自然と作品の細かい部分を見ることになります。
ルーヴル美術館でさがせ!
『ルーヴル美術館でさがせ!』は、ルーヴル美術館の有名な作品の中に隠れた青いカバ「ヒッポ」を探す絵本です。
『モナ・リザ』や『ミロのヴィーナス』など、有名作品に触れながら探し絵として楽しめます。
美術の知識がなくても、「青いカバはどこ?」と探すだけで遊べるので、名画への入り口として使いやすいです。
巻末に作品解説もあるため、子どもが少し大きくなってからも楽しみやすいと思います。
[Rinker:ルーヴル美術館でさがせ!]
オルセー美術館でさがせ!
『オルセー美術館でさがせ!』は、オルセー美術館の作品の中から、隠れたキャラクターを探す絵本です。
ルノワール、ドガ、ミレーなどの作品に親しみながら、探し絵として楽しめます。
印象派や近代絵画に興味を持つ入口としても使いやすいですが、最初は難しく考えなくて大丈夫です。
「どこにいるかな?」
「この絵の中で、どの人が気になる?」
「この場面、何をしているところかな?」
と話しながら見るだけでも、美術作品を身近に感じやすくなります。
[Rinker:オルセー美術館でさがせ!]
探し絵絵本については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
[内部リンク:探し絵絵本おすすめ|2歳・3歳から楽しめるミッケみたいな絵本]
形・色・見方から楽しむ美術絵本
名画そのものより、色や形、見方の面白さから入る美術絵本もあります。
小さい子には、画家名や作品名よりも、「丸がいっぱい」「ふわふわしている」「動いて見える」という感覚的な入口の方が合うことがあります。
びじゅつのゆうえんち
福音館書店の「びじゅつのゆうえんち」シリーズは、美術作品をさまざまな切り口で楽しむ絵本です。
「まる」「空気」「浮世絵」「かいぶつ」など、テーマの切り方がユニークなので、名画を勉強するというより、作品の中で遊ぶ感覚に近いです。
美術館のように静かに鑑賞するというより、
- 形を探す
- 絵の中の動きを感じる
- 変なものを見つける
- 見え方の違いを楽しむ
といった読み方ができます。
4歳・5歳以降の子や、少し不思議な絵を楽しめる子に向いていると思います。
まるをさがして
『まるをさがして』は、いろいろな美術作品の中から「まる」を楽しむ絵本です。
丸という身近な形を入口にしているので、幼児にも話しやすいです。
「どこに丸がある?」
「この丸は大きいね」
「同じ丸でも、色が違うと印象が変わるね」
のように、形や色の違いを親子で見つけられます。
美術を難しく考えず、普段のお絵かきや形遊びとつなげやすい一冊です。
[Rinker:まるをさがして]
うごく浮世絵!?
日本の絵にも触れたい場合は、浮世絵をテーマにした絵本も候補になります。
浮世絵というと難しく聞こえますが、絵の中の動きや構図に注目すると、子どもにも楽しみやすくなります。
「この人、どこに向かっているのかな?」
「風が吹いているみたいだね」
「どこが動いて見える?」
と話すと、作品の中の動きや表現に気づきやすいです。
[Rinker:うごく浮世絵!?]
美術館に行く前に読みたい絵本
子どもと美術館に行く前には、美術館の雰囲気に触れられる絵本を読んでおくのもおすすめです。
初めての美術館は、子どもにとっても親にとっても少し緊張する場所かもしれません。
事前に絵本で「美術館ってこんな場所なんだ」と知っておくと、当日のイメージがしやすくなります。
うさこちゃん びじゅつかんへいく
美術館に行く前の絵本として候補になるのが、『うさこちゃん びじゅつかんへいく』です。
うさこちゃんが家族と美術館へ行くお話で、美術館で作品を見る楽しさに触れられます。
美術館デビュー前に読むなら、マナーを細かく説明するよりも、
- 絵を見る場所なんだね
- いろいろな作品があるんだね
- 好きな絵を見つけてもいいんだね
- 感じたことを話してもいいんだね
という雰囲気を伝えるのによさそうです。
[Rinker:うさこちゃん びじゅつかんへいく]
美術館に行く前は「全部見なくていい」と考える
子どもと美術館に行くときは、全部の作品をしっかり見ようとすると大変です。
小さい子の場合、数点だけ見て終わることもあります。
それでも、「この絵が好きだった」「この色がきれいだった」「大きい絵があった」と覚えていれば、十分な美術館体験だと思います。
絵本を読んでから美術館に行く場合も、絵本に出てきた作品と同じものを探す必要はありません。
親子で気になったものを少し見るくらいでよいと思います。
自分で描く・作ることにつながる絵本
美術系の絵本は、見るだけでなく、自分で描く・作ることにつながるものもあります。
お絵かきが好きな子なら、作品を見る絵本とあわせて、実際に手を動かすタイプの本も楽しみやすいです。
おえかき美術館
『おえかき美術館』のように、自分で絵を描いて完成させるタイプの本もあります。
美術館の額縁の中に自分で絵を描くような構成だと、「自分の絵も飾っていいんだ」という感覚で楽しめます。
名画を見るだけでなく、自分も表現する側になれるのが魅力です。
美術館に行く前後に使うと、
「美術館みたいに飾ってみよう」
「今日見た絵みたいに描いてみる?」
とつなげやすいと思います。
[Rinker候補:おえかき美術館]
おえかきブック
コクヨの「おえかきブック」のように、親子で描いて完成させる本もあります。
絵本を読むだけでなく、実際に描くことで、子どもの表現を残せるのがよいところです。
きれいに描くことより、今の年齢だからこそ描ける線や色を楽しむ本として使うとよいと思います。
[Rinker候補:おえかきブック]
美術絵本を年齢別に選ぶなら
| 年齢 | 楽しみ方 | 候補 |
|---|---|---|
| 2〜3歳ごろ | 色や形を見て楽しむ | おえかき系、形を探す絵本、親子で眺める絵本 |
| 3〜4歳ごろ | 探し絵や好きな色を見つける | ルーヴル美術館でさがせ!、オルセー美術館でさがせ! |
| 4〜5歳ごろ | 名画の中の形・表情・動きを楽しむ | 小学館あーとぶっく、びじゅつのゆうえんち |
| 年長〜小学生 | 画家や作品の違いにも触れる | ゴッホ・ピカソ・マティスなどの画家別絵本 |
| 美術館に行く前 | 美術館の雰囲気に慣れる | うさこちゃん びじゅつかんへいく、美術館系の探し絵絵本 |
もちろん、これはあくまで目安です。
2歳でも名画を見るのが好きな子もいますし、小学生でも探し絵タイプの美術絵本を楽しめます。
年齢よりも、子どもが「見たい」「探したい」「描きたい」と思えるかどうかで選ぶのがよいと思います。
美術絵本を楽しむコツ
作品名や画家名を覚えさせようとしない
美術絵本を読むとき、作品名や画家名を覚えさせようとしなくても大丈夫です。
幼児期は、まず「見て感じる」ことを大切にした方が楽しみやすいと思います。
子どもが気に入った絵があれば、あとから自然に画家名を覚えることもあります。
最初から知識として教え込むより、好きな絵を見つけることを優先してよいと思います。
「どう見える?」と聞いてみる
美術絵本では、正解を探すよりも、見え方を話すのがおすすめです。
- 「何に見える?」
- 「どの色が好き?」
- 「この人、何をしていると思う?」
- 「この絵の中に入れるなら、どこに行きたい?」
- 「なんだか楽しそう?それとも怖そう?」
子どもの答えが大人の見方と違っていても、それもおもしろさです。
「そう見えたんだね」と受け止めると、子どもも自由に話しやすくなります。
美術館に行ったあとに読み返す
美術館に行く前だけでなく、行ったあとに美術絵本を読み返すのもおすすめです。
実際に作品を見たあとだと、絵本の中の作品や雰囲気が少し身近に感じられることがあります。
「美術館にも大きい絵があったね」
「この絵、今日見た色に似ているね」
「また行ってみたい?」
と話すことで、美術館での経験と絵本がつながります。
お絵かきや工作につなげる
美術絵本を読んだあとに、無理なくお絵かきや工作につなげるのもよいです。
たとえば、
- 丸だけで絵を描いてみる
- 好きな色だけで描いてみる
- ぐるぐる線で描いてみる
- 紙を切って貼ってみる
- 美術館のように壁に飾ってみる
といった遊びができます。
上手に描くことより、絵本で見た色や形を自分なりに試すことが大切だと思います。
美術絵本を読むときの注意点
解説しすぎない
親が美術に詳しい場合でも、最初から解説しすぎない方がよいことがあります。
子どもが自由に感じる前に説明が多すぎると、「正しい見方をしなければ」と感じてしまうかもしれません。
まずは、子どもが何を見ているか、何をおもしろがっているかを見てから、必要なときだけ少し説明するくらいでよいと思います。
「この絵はすごい」と押しつけない
名画だからといって、子どもが必ず好きになるとは限りません。
大人にとって有名な作品でも、子どもには怖く見えたり、つまらなく感じたりすることもあります。
「これは有名だから見なさい」ではなく、
「これはちょっと変だね」
「こっちは好き?」
「この絵は怖い感じがする?」
と、子どもの反応を見ながら楽しむ方が続きやすいです。
美術館では短時間でも大丈夫
美術絵本をきっかけに美術館へ行く場合、最初から長時間見ようとしなくても大丈夫です。
子どもは疲れやすいですし、静かな場所で長く過ごすのが難しいこともあります。
最初の美術館体験は、短時間でも十分です。
好きな作品を1つ見つける。大きな作品を1つ見る。ミュージアムショップで絵はがきを選ぶ。
それくらいでも、子どもにとっては印象に残ることがあります。
Amazonリンクを入れるなら
この記事で商品リンクを入れるなら、次のように絞ると自然です。
- 名画に親しむ本:小学館あーとぶっく
- 探し絵系:ルーヴル美術館でさがせ!/オルセー美術館でさがせ!
- 形や見方系:まるをさがして/びじゅつのゆうえんち
- 美術館に行く前:うさこちゃん びじゅつかんへいく
- 描く・作る系:おえかき美術館/おえかきブック
美術系絵本は種類が多すぎるわけではないので、商品リンクを入れすぎるより、目的別に数冊ずつ紹介する方が選びやすいと思います。
まとめ:美術絵本は「見る力」を育てるきっかけになる
美術系の絵本は、名画や画家の名前を覚えるためだけの本ではありません。
色や形を見たり、絵の中から何かを探したり、「これは何に見える?」と親子で話したりすることで、アートに親しむきっかけになります。
名画に触れたいなら小学館あーとぶっく、探し絵として楽しみたいなら『ルーヴル美術館でさがせ!』や『オルセー美術館でさがせ!』、形や見方から入りたいなら「びじゅつのゆうえんち」シリーズも候補になります。
美術館に行く前には、美術館の雰囲気がわかる絵本を読んでおくのもよいと思います。
大切なのは、正しい感想を言うことではなく、親子で自由に見ること。
子どもが「きれい」「変」「こわい」「おもしろい」と感じたことを大切にしながら、美術絵本を楽しめるとよいですね。
[内部リンク:探し絵絵本おすすめ|2歳・3歳から楽しめるミッケみたいな絵本]
[内部リンク:迷路絵本おすすめ|3歳・4歳から楽しめるめいろ・探し絵・図鑑系の本]
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