絵本を読み聞かせしていると、子どもが途中で話しかけてきたり、「なんで?」と聞いてきたりすることがあります。
そんなとき、最後まで読んだ方がいいのか、会話しながら読んでいいのか、迷うことはありませんか。
また、読み聞かせのときに感情をこめて読むのがよいのか、淡々と読んだ方がよいのか、寝る前はどのくらい明るくして読むのかなど、細かいところも気になりますよね。
結論からいうと、読み聞かせのやり方に、ひとつの正解はないと思います。
子どもが絵をじっくり見たいタイプなら、途中で会話しながら読むのもよいですし、物語の世界に入り込みたいタイプなら、最後まで読んでから話す方が合う場合もあります。
大切なのは、「正しい読み聞かせ」をしようとしすぎることより、親子で絵本を楽しめる形を見つけることです。
この記事では、読み聞かせ中の会話や声かけ、読み方、寝る前の照明、生後4か月ごろの読み聞かせの工夫についてまとめます。
※この記事では、Xでいただいた声をもとに、読みやすいよう一部表記を整えています。
読み聞かせ中に会話してもいい?
絵本の読み聞かせ中に、子どもが話しかけてくることがあります。
「これは何?」
「なんでこうなったの?」
「ここに小さい虫がいるよ」
「この子、泣いてるね」
このような反応があると、親としては「途中で止めずに読んだ方がいいのかな」「でも、せっかく気づいたことだから答えた方がいいのかな」と迷うこともあると思います。
個人的には、子どもが絵本の中で何かに気づいたときは、会話しながら読んでもよいと思います。
子どもは、文章だけでなく、絵もよく見ています。
大人が気づかないような小さな描写に気づいたり、登場人物の表情を見たり、ページの中で自分なりに発見していることもあります。
読み聞かせは、文字を読んで聞かせるだけでなく、親子で同じ絵本を見ながらやり取りする時間でもあります。
ただし、子どもによっては、途中で話しかけられると物語に集中しにくい場合もあります。
そのため、途中でたくさん話した方がいい、最後まで黙って読んだ方がいい、と決めるより、子どもの様子に合わせて変えてよいと思います。
読み聞かせ中の「なんで?」にはどう答える?
2歳前後から、絵本を読んでいる途中に「なんで?」と聞かれることがあります。
たとえば、登場人物の行動や、絵の中の出来事について、子どもなりに疑問を持っているのだと思います。
このとき、必ず正しい答えを返さなければいけないわけではありません。
子どもは、正解そのものを知りたいだけでなく、親と会話したい、親がどう考えるのか聞きたい、という気持ちで聞いていることもあります。
家庭で出ていた声としては、次のような対応がありました。
- 親が気づいていないことに気づいたら、一緒に発見を楽しむ
- 「すてきなことに気づいたね」と受け止める
- 「どうしてだろうね」と一緒に考える
- 「ママはこう思うよ」と親の考えを伝える
- わからないときは「わからないな」と正直に言う
- 「あとで図鑑を見てみようか」と調べる流れにする
たとえば、子どもが「なんでこの子泣いてるの?」と聞いたら、
「どうしてだろうね。転んで痛かったのかな」
「おもちゃを取られて悲しかったのかな」
「あなたはどう思う?」
のように、正解を決めつけずに一緒に考えることもできます。
絵本によっては、はっきりした答えがないこともあります。
その場合は、「どうだろうね」「不思議だね」と言って、子どもの言葉を繰り返すだけでもよいと思います。
子どもの発見を止めずに楽しむ
読み聞かせ中の会話は、物語の流れを止めてしまうように感じることもあります。
ただ、子どもが絵本の中で何かを見つけたときは、絵本に集中しているからこそ反応している場合もあります。
大人は文章を追いがちですが、子どもは絵の中の細かい部分を見ていることがあります。
「そこに気づいたんだね」
「ほんとだ、こんなところにいるね」
「よく見つけたね」
と声をかけるだけでも、子どもにとっては、自分の発見を受け止めてもらえた経験になります。
もちろん、毎回すべての会話に広げる必要はありません。
寝る前で時間がないときは、「いいところに気づいたね。続きも読もうか」と軽く受け止めて、読み進めてもよいと思います。
途中で話す?最後まで読んでから話す?
読み聞かせ中の会話は、子どものタイプや絵本の内容によって合う形が違います。
途中で話しながら読むのが合う子もいれば、物語を最後まで聞いてから話す方が合う子もいます。
| 読み方 | 向いている場面 |
|---|---|
| 途中で会話しながら読む | 子どもが絵をよく見ているとき、発見や疑問が多いとき |
| 最後まで読んでから話す | 物語に集中したいとき、長めの絵本を読むとき |
| 親が少しだけ補足する | 言葉や状況が難しそうなとき |
| 子どもに任せる | 自分でページを戻したり、好きな場面を見たがるとき |
どちらが正解というより、絵本によって変えてよいと思います。
たとえば、しかけ絵本や図鑑に近い絵本は、会話しながら読む方が自然です。
一方で、物語性の強い絵本は、途中で止めすぎると流れがわかりにくくなることもあります。
「この本は途中で話しながら楽しむ本」「この本は最後まで読んでから話す本」と分けてもよさそうです。
読み聞かせ時の話し方はどうする?
絵本を読むとき、どんな口調で読めばよいのかも迷いやすいところです。
家庭で出ていた声としては、次のような読み方がありました。
- アナウンサーのように、ゆっくり・はっきり読む
- 感情をこめて読む
- 登場人物ごとに声を変える
- 同じ絵本でも、日によって読み方を変える
- 淡々と読む
- 絵だけ見て進むこともある
どの読み方も、家庭で楽しめているなら問題ないと思います。
親が演じるのが好きなら、少し感情をこめて読むと楽しいですし、親が疲れているときは淡々と読んでも大丈夫です。
読み聞かせは、毎回きれいに読む必要はありません。
ゆっくり読める日もあれば、短く読む日もあります。
親子で続けやすい読み方を選ぶ方が大切です。
感情をこめて読む?淡々と読む?
感情をこめて読むか、淡々と読むかについては、少し迷う方もいるかもしれません。
感情をこめて読むと、子どもが楽しみやすいことがあります。
一方で、親の演じ方が強すぎると、登場人物の印象が親の読み方に引っ張られる可能性もあります。
読み聞かせ時の演じ分けについて調べた研究では、演じ分けをした場合としなかった場合で、物語理解に大きな差は見られなかった一方、登場人物の印象には影響が出る可能性が示されています。
ただし、この研究は対象人数や使用した絵本が限られているため、「感情をこめて読まない方がよい」とまで言い切れるものではありません。
家庭での読み聞かせとしては、次のように考えるとよいと思います。
- 子どもが楽しんでいるなら、多少感情をこめて読んでよい
- 物語をじっくり味わいたい本は、声を作りすぎない
- 親が疲れている日は淡々と読んでもよい
- 毎回同じ読み方にしなくてもよい
読み聞かせの目的は、上手に演じることではありません。
子どもが絵本の世界に入れること、親子で本を楽しめることを大切にすればよいと思います。
物語の気持ちを聞くときは、テストのようにしない
読み聞かせの中で、登場人物の気持ちを聞きたくなることもあります。
「この子はどう思ったのかな?」
「どうして泣いているのかな?」
「このあとどうなると思う?」
こうした声かけは、親子の会話として自然に出るならよいと思います。
ただし、毎回読んだあとに感想を聞いたり、正解を求めるように質問したりすると、子どもにとって負担になる場合もあります。
子どもが「わからない」と言ったときは、無理に答えさせなくても大丈夫です。
たとえば、
- 「悲しかったのかな、びっくりしたのかな」など選択肢を出す
- 「ママはこう思ったよ」と親の感じ方を話す
- 顔や体で表現してもらう
- 答えを求めず「そういう場面だったね」と受け止める
といった関わり方もあります。
物語の気持ちの理解については、別記事でも詳しくまとめています。
寝る前の読み聞かせはどのくらい明るくする?
寝る前に読み聞かせをする場合、部屋の明るさも悩みやすいところです。
寝る前だから暗くしたいけれど、暗すぎると文字が読みにくい。明るくすると目が覚めてしまいそう。そんな迷いがありますよね。
家庭で出ていた工夫には、次のようなものがありました。
間接照明や常夜灯を使う
寝室の明るい照明は消し、間接照明や常夜灯で読む家庭があります。
暖色系のライトを使うと、寝る前の雰囲気を保ちやすいです。
ただし、暗すぎると文字が読みづらく、内容を間違えたり、暗記している内容で読んだりすることもあります。
親が無理なく読める明るさは必要だと思います。
調光式の寝室ライトを使う
寝室の照明が調光式の場合は、暗めの暖色にして読む方法もあります。
読み終わったらリモコンでそのまま消灯できるので、寝かしつけの流れを作りやすいです。
リビングで読んでから寝室では消灯する
寝室を暗くしておきたい場合は、リビングで読んでから寝室へ行く方法もあります。
寝室では本を読まず、眠る場所として切り替える形です。
ただし、子どもによっては「布団で読みたい」とこだわることもあります。
その場合は、長い本はリビングで、布団では短い本を1冊だけ、という分け方もできます。
寝る前の読み聞かせの時間帯や、親が眠いときの工夫については、こちらの記事で詳しくまとめています。
寝る前の読み聞かせで決めておくと楽なこと
寝る前に読む場合は、事前に少しだけルールを決めておくと楽です。
- 読む冊数を決めておく
- 長い本は1章だけにする
- 読み終えたらすぐ消灯する
- 暗すぎて読みにくい場合は無理をしない
- 親が眠い日は短い本にする
家庭で出ていた工夫としては、α波オルゴールなどを流して寝る雰囲気を作りながら読む、読む冊数を決めておき、読み終えたらすぐ消灯する、というものもありました。
寝る前の読み聞かせは、親も眠くなりやすい時間です。
無理にたくさん読むより、寝る前は短く、日中に長い本を読むなど、分けて考えてもよいと思います。
生後4か月ごろの読み聞かせはどうする?
赤ちゃんへの読み聞かせでは、反応が少なくて「これでいいのかな」と感じることがあります。
生後4か月ごろは、絵本の内容を理解するというより、親の声を聞いたり、色や形を見たりする時期だと思います。
そのため、反応が少なくても、うまく読めていないわけではありません。
家庭で出ていた工夫には、次のようなものがありました。
- 子どもの反応が少ない時期は、親の好きな児童文学を音読する
- 絵本に飽きたら、育児書などを音読する
- 反応を求めすぎず、サクサク読む
- 淡々と読む
- 読む人を変える
赤ちゃんの時期は、親のモチベーションを保つことも大切です。
赤ちゃん向け絵本を読むのもよいですし、親が読んでいて苦にならない本を音読するのも一つの方法だと思います。
「赤ちゃんがきちんと聞いているか」だけを気にしすぎず、声を聞かせる時間として取り入れるくらいでもよいのではないでしょうか。
読み聞かせに疲れたときは、やり方を変えていい
読み聞かせは、毎日同じようにできなくても大丈夫です。
親が疲れている日もありますし、子どもが最後まで聞かない日もあります。
そんなときは、読み聞かせのやり方を変えてよいと思います。
- 短い本にする
- 途中までにする
- 絵だけ見る
- 子どもにページをめくってもらう
- 親が読まず、子どもに話してもらう
- 音声や録音を使う
- 読まない日を作る
読み聞かせは、親が無理をして続けるものではありません。
親子で本に触れる時間が嫌なものにならないように、家庭に合った形に変えていくことも大切だと思います。
まとめ:読み聞かせは親子で楽しめる形で大丈夫
読み聞かせ中に子どもが話しかけてきたり、「なんで?」と聞いてきたりするのは、絵本に興味を持っているからこその反応かもしれません。
途中で会話しながら読んでもよいですし、物語を最後まで読んでから話してもよいと思います。
読み方も、感情をこめる日があっても、淡々と読む日があっても大丈夫です。
寝る前の読み聞かせでは、照明や冊数を工夫すると、親の負担を減らしやすくなります。
赤ちゃんへの読み聞かせは、反応が少なくても、親の声に触れる時間として考えると続けやすいです。
大切なのは、正しい読み聞かせをすることより、親子で本を楽しめること。
子どもの年齢や性格、家庭の生活リズムに合わせて、無理なく続けられる読み聞かせの形を見つけていけるとよいですね。


参考文献
松村敦・森円花・宇陀則彦「絵本の読み聞かせ時の演じ分けが子どもの物語理解と物語の印象に与える影響」

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